「配当金って、確定申告しないといけないの?」
高配当株投資を始めると、必ずこの疑問にぶつかりますよね。私も2019年に投資を始めたとき、毎年2月になると「申告しなくて大丈夫かな…」とドキドキしていました。
結論からお伝えすると、「特定口座(源泉徴収あり)」を使っていれば、基本的に確定申告は不要です。ただし、申告することで税金が戻ってくるケースもあるので、知らないと損することもあります。
この記事では、配当金にかかる3つの課税方式を元小学校教師の視点でわかりやすく解説します。難しい税金の話を、できるだけシンプルにお伝えしますね。
配当金にかかる税金の基本
まず大前提として、上場株式の配当金には20.315%の税金がかかります。内訳はこうです。
- 所得税:15%
- 復興特別所得税:0.315%
- 住民税:5%
たとえば10万円の配当金を受け取ったとすると、実際に手元に来るのは約79,685円です。残りの約20,315円はすでに源泉徴収(天引き)されています。
この「天引きされた税金をどう扱うか」が、確定申告の問題につながってくるわけです。
3つの課税方式をわかりやすく比較
配当金の課税には、大きく3つの方式があります。どれを選ぶかによって、最終的な税負担が変わってきます。
| 課税方式 | 申告の要否 | 税率 | 主なメリット | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| ①申告不要制度 | 申告不要 | 源泉徴収の20.315%のまま完結 | 手続き不要、社会保険料に影響しない | 会社員・扶養を守りたい人 |
| ②申告分離課税 | 確定申告が必要 | 一律20.315% | 株の譲渡損失と損益通算できる | その年に株の売却損がある人 |
| ③総合課税 | 確定申告が必要 | 所得に応じた累進税率(配当控除あり) | 所得が低い年は税金が戻ってくる | 所得が低い年・退職後など |
①申告不要制度:最もシンプルな選択肢
特定口座(源泉徴収あり)で配当金を受け取っている場合、証券会社がすでに税金を天引きしているので、何もしなくても確定申告は不要です。
この方式の最大のメリットは「配当所得が他の所得に合算されない」点です。会社員の方が配当金を確定申告してしまうと、配当所得が課税所得に加算され、
- 健康保険料が上がる可能性がある
- 配偶者控除の適用が外れる可能性がある
- 扶養から外れる可能性がある
…という思わぬ落とし穴にはまることがあります。申告して得をするどころか、逆に損するケースも珍しくありません。
②申告分離課税:株の売却損がある年に使う
申告分離課税を選ぶと、配当所得を「株式の譲渡所得」と同じグループで計算できます。これにより、株の売却で損が出た年に、その損失と配当金を相殺(損益通算)できます。
たとえばこんなケースです。
- 配当金:20万円(税金4万円を源泉徴収済み)
- 株の売却損:15万円
損益通算すると、課税対象は20万円-15万円=5万円になります。5万円×20.315%=約1万円の税金なので、すでに源泉徴収された4万円との差額約3万円が還付されます。
ただし、「特定口座(源泉徴収あり)」の同一証券会社内なら自動で損益通算されます。異なる証券会社をまたぐ場合や、一般口座と合算したい場合に確定申告が必要になります。
③総合課税:所得が低い年に使えば得をする
総合課税を選ぶと、配当所得が給与所得など他の所得と合算されます。所得が低い場合は、適用される税率が20.315%より低くなる可能性があります。さらに「配当控除」という制度を使えます。
配当控除とは、配当所得の一定割合を税額から差し引ける制度で、国内株式の場合は以下の通りです。
- 所得税:配当所得の10%を控除
- 住民税:配当所得の2.8%を控除
課税所得(配当含む合計)が695万円以下の方は、総合課税を選んで配当控除を使うと有利になる場合があります。退職した年や育児休業中など、所得が大きく下がった年は特に要チェックです。
私自身、退職した2026年は課税所得が大きく下がりました。この年は総合課税を選んで確定申告し、源泉徴収された税金の一部が戻ってきました。教員時代は「申告不要でいいや」と放置していましたが、収入が変わった年は一度試算してみることをおすすめします。
NISA口座の配当金は申告不要(ただし設定ミスに注意!)
NISA口座で保有する株の配当金は、原則として非課税です。ただし、一つ重要な落とし穴があります。
NISA口座の配当金を非課税で受け取るには、「株式数比例配分方式」という受け取り方に設定する必要があります。この設定をしていないと、NISA口座で保有していても配当金に課税されてしまいます!
| 受取方式 | NISA口座の配当金 |
|---|---|
| 株式数比例配分方式 | 非課税(証券口座に直接入金) |
| 配当金領収書方式 | 課税される(20.315%の税金がかかる) |
| 登録配当金受領口座方式 | 課税される(20.315%の税金がかかる) |
証券会社のマイページで「配当金受取方式」を確認してみてください。「株式数比例配分方式」になっていなければ、すぐに変更することをおすすめします。
せっかくNISAで非課税にしているのに、受取方式が違うだけで課税されてしまうのはもったいないですよね。私も最初は知らなくて、数ヶ月間損をしていた苦い経験があります。
どの課税方式を選べばいい?判断フロー
迷ったときは以下のフローで考えてみてください。
- NISA口座のみ保有→ 株式数比例配分方式に設定すれば申告不要
- 特定口座(源泉徴収あり)で会社員→ 基本は申告不要。扶養・社保への影響があるなら絶対に申告不要を維持
- その年に株の売却損がある→ 申告分離課税で損益通算を検討
- 退職・育休・低所得の年→ 総合課税で配当控除を活用できるか試算する
税理士に相談するほどではなくても、証券会社の「税金シミュレーター」を使えば自分でも試算できます。SBI証券や楽天証券にはこうしたツールが無料で用意されています。
私(いち)の実体験:確定申告して還付を受けた話
2026年3月、私は初めて「配当金のための確定申告」をしました。
教員を退職した年なので、年収が大きく下がりました。退職後の収入は投資の配当金と少しのブログ収益のみ。課税所得が下がったことで、配当金に適用される実効税率が20.315%を下回る可能性が出てきたのです。
実際に総合課税で申告してみたところ、源泉徴収された税金の一部が還付されました。金額は秘密ですが(笑)、「申告してよかった」と実感しました。
「どうせ戻らないだろう」と諦める前に、一度シミュレーションしてみることが大切です。
ただし注意点もあります。総合課税を選ぶと配当所得が合計所得金額に含まれます。妻の配偶者控除や、子どもの扶養控除に影響が出ないか、事前に確認しておきましょう。わが家の場合は妻が教員として働いているので扶養の問題はありませんでしたが、配偶者が専業主婦(主夫)の家庭は要注意です。
まとめ:自分の状況に合った方式を選ぼう
配当金の課税方式は3つあり、どれが最適かは人によって違います。
- 会社員で配当金だけ→ 申告不要が基本
- 売却損がある年→ 申告分離課税で損益通算
- 退職・低所得の年→ 総合課税で配当控除
- NISA口座→ 株式数比例配分方式に設定を忘れずに
難しそうに見える税金の話も、基本を押さえれば自分で判断できます。毎年2月になったら「今年はどの方式が得かな?」と少し考える習慣をつけるだけで、長い目で見ると数万円単位の違いが出てくることもあります。
高配当株投資は「受け取った配当金をいかに賢く管理するか」も大切な要素です。税金もその一つ。ぜひ自分の状況に合わせて、最適な方式を選んでみてください。
証券口座選びも大切:楽天証券・松井証券の使い勝手
高配当株投資を始めるなら、使いやすい証券口座選びも重要です。私のおすすめはこちら。
【投資に関する免責事項】本記事は情報提供を目的としており、特定の投資を推奨するものではありません。投資はご自身の判断と責任のもとで行ってください。税制は変更される可能性があります。詳細は税務署または税理士にご相談ください。

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