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【Vol.2 銘柄分析編】投資用語の教科書|PER・PBR・ROEがわかる10語

【Vol.2 銘柄分析編】投資用語の教科書|PER・PBR・ROEがわかる10語
こんにちは、元教師のいちです。 【いちの投資用語の教科書】シリーズ、前回のVol.1では「株式・証券口座・株価」など、投資を始めるための超基本10語を学びました。 「前回の用語は理解できた!次は?」という方、お待たせしました。今回はいよいよ、株を選ぶときに毎日のように目にする銘柄分析の用語です。 「PERって何の略?」「PBR1倍割れって聞いたけど、良いの?悪いの?」「ROEが高いと何が嬉しいの?」——そんな疑問を、授業形式でスッキリ解消しましょう。
【シリーズ案内】 Vol.1 超基本編(株式・証券口座・株価など10語) Vol.2 銘柄分析編(この記事) Vol.3 配当戦略編(配当利回り・増配・累進配当…)— 近日公開 Vol.4 税金・制度編(確定申告・配当控除…)— 近日公開 Vol.5 チャート・注文編(ローソク足・損切り…)— 近日公開
辞書代わりに使ってください。それでは、2時間目の授業を始めます!
目次

第1章:株の「値段」は高い?安い?を測る指標

株価が1,000円と2,000円の2つの株、どちらが「安い」かわかりますか?実は株価の数字だけでは判断できません。この章では「割高・割安」を測る指標を学びます。

1. PER(株価収益率)

一言でいうと:「この株は、1年分の利益の何年分の値段がついているか」を示す数字です。 PERは「Price Earnings Ratio」の略で、株価 ÷ 1株あたり純利益(EPS)で計算します。単位は「倍」です。 ● たとえ話で解説 あなたが友人のお弁当屋さんを「買収」するとします。そのお店は年間100万円の利益を出しています。友人は「1,500万円で売るよ」と言いました。この場合のPERは15倍(1,500万÷100万)です。 PERが15倍なら「今の利益ペースで15年分の値段」ということ。PERが低いほど割安、高いほど割高と判断する目安になります。 ● 高配当株投資での使いどころ 日本株の平均PERはおよそ15〜20倍が目安です。高配当株は安定した業績の企業が多く、PER10〜15倍前後の銘柄が多い傾向があります。ただし業種によって適正値が違うので、同じ業種内での比較が基本です。 ● ポイントまとめ
  • PER=株価 ÷ EPS(1株あたり純利益)
  • 低いほど割安のサイン(ただし業種比較が必須)
  • 日本株の目安:15〜20倍。高配当株は10〜15倍が多い

📊 PERのイメージ図

株価 EPS(1株利益) PER 判断
1,000円 100円 10倍 🟢 割安
1,000円 50円 20倍 🟡 平均的
1,000円 20円 50倍 🔴 割高

2. PBR(株価純資産倍率)

一言でいうと:「会社が今すぐ解散したとき、手元に残るお金に対して株価は何倍か」を示す数字です。 PBRは「Price Book-value Ratio」の略で、株価 ÷ 1株あたり純資産(BPS)で計算します。 ● たとえ話で解説 友人のお弁当屋さんに、調理器具・在庫・現金を全部合わせた「純資産」が500万円あるとします。友人は「600万円で売るよ」と言いました。PBRは1.2倍(600万÷500万)です。 PBR1倍未満は「解散したほうが株価より高い価値がある」状態で、理論上は割安。近年、東証が「PBR1倍割れの改善」を企業に求めていることで注目されています。 ● 高配当株投資での使いどころ PBRが低い(特に1倍割れ)=市場が会社の資産価値を低く見ている状態。ただし業績が悪い企業が低くなることもあるので、PERと組み合わせて判断するのが基本です。 ● ポイントまとめ
  • PBR=株価 ÷ BPS(1株あたり純資産)
  • 1倍割れ=割安のサイン(ただし理由の確認が必須)
  • 高配当株では1〜2倍前後が多い

3. EPS(1株あたり純利益)

一言でいうと:「会社が1年間に稼いだ利益を、株1枚あたりに換算したもの」です。 EPSは「Earnings Per Share」の略で、純利益 ÷ 発行済株式数で計算します。 ● たとえ話で解説 会社全体が100億円の利益を出し、株が1億枚発行されているなら、EPS=100円です。EPSが年々増えているということは、1株あたりの稼ぎが増えているということ=会社が成長している証拠です。 ● 高配当株投資での使いどころ 配当金はEPSから支払われます。EPSが伸び続けている企業は、増配(配当を増やすこと)の可能性が高くなります。僕が三菱HCキャピタルや三菱商事を保有し続ける理由の一つが、この「EPSの成長」です。 ● ポイントまとめ
  • EPS=純利益 ÷ 発行済株式数
  • EPSが伸びている=増配・株価上昇の期待大
  • PERの計算にも使われる(株価 ÷ EPS=PER)

第2章:企業の「稼ぐ力」と「規模」を測る

4. ROE(自己資本利益率)

一言でいうと:「株主から預かったお金を使って、どれだけ効率よく利益を出しているか」を示す数字です。 ROEは「Return On Equity」の略で、純利益 ÷ 自己資本 × 100(%)で計算します。 ● たとえ話で解説 あなたが友人に100万円を預けたとします。1年後に友人が「10万円の利益が出たよ」と返してきたなら、ROE=10%です。同じ100万円でも20万円稼いだ人はROE=20%。ROEが高いほど「預けたお金を効率よく増やしてくれる会社」だということです。 ● 高配当株投資での使いどころ 日本株の平均ROEはおよそ8〜10%。ROE8%以上が一つの目安とされています。ただしROEは借金が多くても上がるため、財務の安全性(自己資本比率)と合わせて見るのが大切です。 ● ポイントまとめ
  • ROE=純利益 ÷ 自己資本 × 100
  • 8%以上が目安。高いほど「稼ぐ力がある」
  • 自己資本比率もあわせてチェック

5. 時価総額(じかそうがく)

一言でいうと:「この会社を今すぐ丸ごと買うとしたら、いくらかかるか」を示す数字です。 時価総額は株価 × 発行済株式数で計算します。単位は「億円」「兆円」です。 ● たとえ話で解説 「株価1,000円」の会社が1億株を発行していれば、時価総額=1,000億円。株価だけ見ると高く見える株も、株式数が少なければ会社の規模は小さい——時価総額は会社の「本当の大きさ」を教えてくれます。 ● 高配当株投資での使いどころ 時価総額が大きい(大型株)ほど安定しやすく、高配当株に向いている傾向があります。1,000億円以上が中型株、1兆円以上が大型株の目安です。僕が保有するKDDIや三菱HCキャピタルはいずれも大型株です。 ● ポイントまとめ
  • 時価総額=株価 × 発行済株式数
  • 会社の「値段・規模」を表す
  • 大型株ほど値動きが安定しやすい

6. 配当性向(はいとうせいこう)

一言でいうと:「1年間に稼いだ利益のうち、どのくらいを配当として株主に配ったか」の割合です。 配当性向は配当金総額 ÷ 純利益 × 100(%)で計算します。 ● たとえ話で解説 友人のお弁当屋さんが年間100万円稼ぎ、そのうち40万円を「ありがとう代」としてオーナーたちに配ったなら、配当性向=40%です。40万円を配ったから残り60万円は来年の仕込みや設備投資に使える——余裕のある水準が長続きする配当の秘訣です。 ● 高配当株投資での使いどころ 配当性向40〜60%が「配当を出しながら会社も成長できる」安定ゾーン。80%超は要注意(利益が少し落ちただけで減配するリスク)。逆に20%未満は「もっと配当を増やせる余地がある」サインとも読めます。 ● ポイントまとめ
  • 配当性向=配当金総額 ÷ 純利益 × 100
  • 40〜60%が安定ゾーン。80%超は減配リスクに要注意
  • 三菱HCキャピタルの配当性向は約40%——これが27期連続増配を支えている

🍰 配当性向のイメージ

配当性向 状態 注意点
〜30% 増配の余地あり 株主還元に消極的な可能性も
40〜60% 🟢 安定ゾーン バランスが良く長続きしやすい
80%超 🔴 要注意 業績悪化で減配リスク大

第3章:市場の「空気」と「取引のルール」を知る

7. セクター(業種)

一言でいうと:「似た仕事をしている会社をグループ分けした業種の分類」です。 ● たとえ話で解説 スーパーに行くと、野菜売り場・肉売り場・魚売り場と区分けされていますよね。株式市場も同じで、「通信セクター(NTT・KDDIなど)」「金融セクター(銀行・保険)」「エネルギーセクター(INPEX・ENEOSなど)」のように分類されています。 ● 高配当株投資での使いどころ 分散投資の基本はセクターを分けることです。通信・インフラ・金融・商社に分散すれば、1つの業界が不調でも他でカバーできます。逆に金融株ばかりで固めると、金利変動で全部同時に下がるリスクがあります。 ● 主な高配当セクターと代表銘柄
  • 📡 通信:KDDI(9433)、NTT(9432)
  • 🏦 金融・リース:三菱HCキャピタル(8593)、オリックス(8591)
  • ⚓ 商社:三菱商事(8058)、伊藤忠商事(8001)
  • ⚡ エネルギー:INPEX(1605)、ENEOS(5020)
● ポイントまとめ
  • 同じ業種の株はまとめて動きやすい
  • 複数セクターに分散が高配当投資の鉄則
  • 不景気に強いのは通信・インフラ・日用品セクター

8. 出来高(できだか)

一言でいうと:「その日1日に売買された株の総数」です。 ● たとえ話で解説 フリマアプリで商品を出品するとき、「最近売れている商品」と「ほとんど取引されていない商品」があります。出来高が多い株=「よく売れている商品」で、いつでも買えて売れる安心感があります。逆に出来高が少ない株は買いたくても売れない(流動性リスク)ことがあります。 ● 高配当株投資での使いどころ 長期保有が基本の高配当株投資でも、出来高は重要です。出来高が少ない銘柄は、売りたいときに希望の価格で売れない可能性があります。1日の出来高が数十万株以上ある銘柄を選ぶのが無難です。 ● ポイントまとめ
  • 出来高=1日の売買株数。多いほど流動性が高い
  • 出来高が少ない株は売りたいときに売れないリスクあり
  • 大型株(時価総額大)は自然と出来高も多い

9. 板情報(いたじょうほう)

一言でいうと:「今この瞬間、いくらで何株買いたい人・売りたい人がいるかを表す一覧表」です。 ● たとえ話で解説 ヤフオクで商品を探すとき、出品一覧(この値段で売ります)と入札状況(この値段で買います)が見えますよね。株の「板」はその株式版です。「1,000円で500株売りたい人がいる」「999円で300株買いたい人がいる」という情報が並んでいます。 ● 高配当株投資での使いどころ 長期投資家にとって板情報を細かく見る必要はほとんどありません。ただ、大型株では板が厚い(売買注文が多い)ため「指値(希望の値段で注文)」がスムーズに成立しやすいことは知っておいて損なし。 ● ポイントまとめ
  • 板=リアルタイムの売り買い注文一覧
  • 長期投資では必須ではないが、仕組みは知っておこう
  • 板が厚い(注文が多い)=流動性が高い証拠

10. 信用取引(しんようとりひき)

一言でいうと:「証券会社からお金や株を借りて、自分の資金以上の金額で取引すること」です。 ● たとえ話で解説 手元に10万円あるのに「50万円分の株を買えます」と言われたら、聞こえはいいですが損失も5倍になります。株が10%下がれば通常なら1万円の損ですが、信用取引では5万円の損になります。 ● 高配当株投資での使いどころ 初心者には絶対おすすめしません。高配当株投資の本質は「ゆっくりコツコツ配当を受け取ること」。信用取引はその真逆です。仕組みだけ知っておいて、まずは現物取引(自分のお金だけで買う)を徹底してください。 ● ポイントまとめ
  • 借金して投資する仕組み。利益も損失も拡大する
  • 高配当株の長期投資では基本的に使わない
  • 初心者が使うと資産を一瞬で失うリスクあり

まとめ|Vol.2で学んだ10語

用語 一言まとめ 目安
PER 株価の割高・割安 15倍以下が目安
PBR 純資産に対する株価 1倍割れは割安サイン
EPS 1株あたりの利益 増え続けているが◎
ROE 自己資本の効率 8%以上が目安
時価総額 会社の値段・規模 大型株ほど安定
配当性向 利益の何%を配当に 40〜60%が安定
セクター 業種グループ 複数セクターに分散
出来高 1日の売買株数 多いほど流動性高
板情報 売買注文の一覧 仕組みだけ把握でOK
信用取引 借金で株を買う 初心者は使わない
Vol.2はここまでです。「全部一度に覚えなくていい」というのが元教師の本音です。この表をブックマークして、銘柄を調べるときに「あ、PERってなんだっけ」と辞書代わりに使ってください。 次のVol.3は「配当戦略編」です。高配当株投資の核心、配当利回り・増配・累進配当・DOEなどを解説します。
▼ Vol.1(超基本編)はこちら 【Vol.1 超基本編】投資用語の教科書|最初に覚える10語 ▼ 実際にPER・PBRを使った銘柄分析はこちら KDDIとは?配当・業績・特徴を初心者向けに解説
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この記事を書いた人

教員 × 株式トレーダー
教育と投資、そして自由な生き方をテーマに発信しています。
ブログ「安定から自由へ。」で、人生の再設計を綴ります。

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